くま社長閑話 Vol.385 「永遠の」
オトナになりかけの少年はいま明らかに、自立しようとしている。
おどおどしながら、わくわくしながら。
7年間で延べ僅か7週間か10週間分の一部、3、400時間程しか会えなかったが、84ヶ月364週179cm65kgにまでなってこの春東京の私学の学生くんとなる。
父としてはまったく何にもできなかったが、佳い人に支えられ、矢張り佳い人になった。有難い。
いろいろと、馳せる想いもあるが、まあわたしも己をたっぷりと知らされ、落ち込み、反省し、悩み苦しみそして悲しみから這い上がろうとしている。
人として出来得ることならば佳いものになろうと必死にもがき、努めて穏やかに笑顔でいることを是とし、必死にもがき、もがき、もがいて、濁らず、濁らず、濁さず、水面を平気な様子顔で過ごしている水鳥のように。
しかし目の前には、かつて叩き落ちた巨大な滝が轟々と音と飛沫を飛ばして立ちはだかっている。
あゝ、あの上に居ったコトもあるのだなぁ、と感慨深く、しかし指先に小さな棘の刺さった様な、遠く懐かしい痛みの様な想いが体の芯の方から亡霊の様に湧き上がってくる。
果たしてこの滝をあの頃の様に再び昇っていくことができるのだろうか?
何度も何度も果敢に挑戦し、落ちては傷つき、叩きのめされ、そうしてまた立ち向かっていく。
オトナになりきれないオトナに、オトナのふりをしてきただけのオトナに、これからオトナになろうと、おどおどしながら、わくわくしながら、自立しようとしている佳い人に、一体何ができるのだろうか?
胸の奥底の癒えない苦しみは、至極小さなものになり始めているけれど、消え去るものではなさそうだ。
歳をとればとるだけ、積もり続ける小さな棘の数は増える。
遠く懐かしい痛みの源泉は、きっとあの頃の自分に対する、裏切り。
なりたい自分に、なる。
オトナになりかけの少年の、おどおど、わくわくするのを肌身に感じて、明日の為に今日を精一杯生きようと、肝に命じた。
永遠の、少年性。
キミは今、あの頃想ったキミになれていますか?
Facebookページより
2017-03-12 21:48
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